ゲーム業界人であるために必要なこと

制作思考雑感

『ゲーム制作公開講座』のレポートが欲しい、と言っていた友人がいたので
こちらに書いてみようと思います。

内容は『制作方法』ではなく『業界人であるために必要なこと』でした。
講師の方がクリエイターとして伯爵と似た“ウリ”の方だったためか
非常に共感する内容で、講演後色々なお話をして帰ってきました。
講師の方が40歳、伯爵が今年34歳になるので
業界に関わっている期間も近く、感覚が近いのもあるのかもしれません。
勉強になったかといえば、同意して帰ってきただけなのですが(笑)
人と出合ったり話したりするのが好きなので楽しんできました。

さてレポートです。メモは取っていませんが、大丈夫でしょう。

● 業界人であるために必要なことは何か。 >>『納期を守ること』

制作期間を聞いて、他の人の作業工程を想像して
自分がいつまでに作業を上げるべきなのか自分で考え、上げられる、
という意味合いでのことです。
今日が1日で10日が締め切りだった場合、10日に上げてもダメですよね。
リテイクに対応出来なくなってしまいます。
6日あたりには上げておいた方がいいかなと伯爵だったら進めます。
『リテイク』というと『要件を満たしていない』という印象ですが
ディレクターが上がったものを見て新しく加えたい要素が出てくることもあります。
早めに上げれば、要望を出しやすくなって喜ばれます。
他にも、自分の次の作業工程があります。プログラムだとか。
自分が早めに進めれば、プログラムの制作期間にゆとりが出て喜ばれます。
皆に喜んで欲しいので早めに上げます。
つまり、一緒に作る人に対する『優しさ』『思いやり』
そういうものがある人が業界で生き残る、ということだと思います。

● 会社に勤めた経験があった方がいい

これは上記で書いた内容の流れです。
一緒に作る人に対する『優しさ』『思いやり』。
自分個人の作業のクオリティを上げることだけ考えた結果
『少しでも納期を延ばして欲しい』となって来る人がいます。
自分の作業期間を延ばすことが他の人の作業期間を縮めることだと
自覚していればよいのですが……。

会社では嫌な上司、使えない同僚、扱いづらい後輩などと
一緒に仕事をしなければならない状況に置かれます。
ここで、修行をするわけですね。忍耐力の強化を(笑)。
何をやられると困るのか、嫌なのか、どうして欲しいと思うものなのか、
そういったことが学びやすいのではないかと思います。
どういった配慮をすれば『思いやり』のある制作になるのか、
掴みやすいのではないかなと思います。

他にも、ゲーム業界にはコミュニケーション能力が極端に低い人がいます。
講師の方のお話では『メール以外の連絡不可』という人がいるとか。
電話をすると「はい」という相槌以外のやりとりが出来ない。
電話の後、物凄い長文のメールを送って来たりする、と(苦笑)。
そして「メール以外で連絡しないでください」と言われてしまう、のだとか。
これは極端な例ですが『そういう人いそうだ』と思わせるものはあります。

仲の良いゲーム会社の社長さんとの会話でもあったのですが、
最近はネット上での求人やスカウトで仕事をする人が増えているが
『顔合わせをしたい』というと『忙しい』と言って会ってくれない、とか。
伯爵は仕事をする時はまず『顔合わせ』という感覚があり
同人ゲームの制作であっても『顔合わせ』は行うくらいなのですが
ネット上以外でやりとりしたくない、という人が今は多いのか、と
自分のお年寄りさを実感致しました。
共同制作で最も大切なのは人間関係だと思うので
伯爵なんかは出来るだけ一度お会いしておきたいと思うものなのですけどね。

PCに向かっている間は一人で作っているような気分になるかもしれないけれど
多くの人で一つのものを作っている、そういうものだということを
一つのオフィスの中で制作した方が実感を得やすい、ということなのだろうなと思います。

● 技術やセンスは中の下くらいで生き残れる

信頼を得られるような誠実な仕事をしていれば
技術やセンスは中の下くらいで生きていける世界だと思います。
伯爵が共同制作の世界で10年以上食うに困らないのは
そういったこと以外にはないと思っています。技術もセンスもありませんから。
若くて勢いのある作家さん、というのも凄いと思いますが
それだけで何年も食っていけるのかといえば、疑問が残ります。

この業界は意外に途中で仕事を投げ出したりいい加減な仕事をする人が多く
その上責任を果していないのに権利を主張するような人もいます。
企業の制作スタッフの募集要項に『日本語が通じる人』とあり、
それが“母国語が日本語である人に対して”の要項であるというくらい
人間性のおかしな人が多いのです。
日本語の通じない系の人と関わっていると
自分が悪くなくても凹んで来たり、本当に辛いですし
そういう人が多い世界なのでコミュニケーションがスムーズなだけで
制作が幸せなものになったりも致します(笑)。

当たり前のことが当たり前で、話が通じて、相手への思いやりがあって、
そんな人だったらスバ抜けた才能みたいなものなんてなくても
ゲーム業界で制作活動をしていく、し続けることは出来るのではないかと思います。

と。こんな感じでよいかな。
仕事でも同人でも、ゲーム以外のものであっても
一緒に何かをするという上で共通した内容な気がしますね。

期待していた『アニメーション講座』は、急遽講師の方が来られなくなってしまい、
臨時で別の講師の方から『プロデューサーとディレクターの違いについて』
というような内容の講義を行っていただきました。

ライセンスビジネスに関するお話、といった感じでしょうか。
ここでは割愛させて頂きたいと思います。
あまり、ビジネスビジネスした話をするのも、夢がありませんしね。

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