Baalzebub:君主ベールゼブブの宮廷

ベールゼブブ

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魔界における君主ベールゼブブの役割

 魔界の王サタンと協力体制であるだけで実際は独立した冥界の魔王。
 罪人の魂が流れ着き罰を受ける場所『冥府』の支配者で、神(YHVH)から冥界の支配権を得ている。
 魔界においては『仏頂面で冷淡で恐ろしい魔王』として知られている。

02
君主ベールゼブブの実情

 仏頂面で冷淡、という部分は噂通りの近寄りがたい魔王。

 愛想は極めて悪いが貪淫で、悪魔漫画上もっとも食い散らかす悪魔である。暴食ってそっちかよ! というけしからん魔王。
 ちょっと顔が気に入れば手当たり次第に淫行、と魔界で評判になってしまうほどの食い散らかし方をしており、それを他人に指摘されても否定しない。
 『冷淡かつ貪淫』というある意味魔王らしい魔王であるが、ベール様の『忘れられない初恋の君』である。
 堕天する以前、熾天使だった頃にはベールと親密だったことがあり、現在でも二人きりになるとかなり親しげに接する傾向が見られる。
 しかしベールゼブブは堕天する前にベールから距離を置いたので、魔界で再会したものの現在はただの友人関係にすぎない。

 また、かなりの甘党で、お茶を煎れても砂糖汁のような状態になるほど砂糖を入れる。ベールがお菓子作りを始めたのも、ベールゼブブに手作りお菓子を食べさせるためである。

  因みに、悪魔漫画の準主役だった悪魔。


03
ベールゼブブ配下の軍服・正装

 ベールゼブブの宮廷内では紫ベースに金縁の軍服、冥府で罪人の魂を苦しめる者達は白ベースに紫縁の軍服を着ています。
 追々実際の軍服の絵を描きたいと思っております。

followers:君主ベールゼブブの配下達

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大高官レオナールという雑用係 レオナール[Leonard]

レオナール
 メランコリックな性格の大高官。
 憂鬱の原因はベールゼブブかもしれない。

 ベールゼブブがどう考えても手を出す気にならない容貌であることと、そつなく仕事をこなすことから雑用兼補佐役を任命された。喜ぶべきことなのかよく分からない。

 ベールゼブブの身の回りの配下は可愛い系の悪魔で固められているので、見た目の上では浮いた存在ではあるが、よき中間管理職となっている。


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君主ベールゼブブが身近に置く配下

プルトン
プルトン[Pluton]
冥界の懲役総監を勤める炎の君主。
アドラメレク
アドラメレク[Adramelech]
冥王の衣裳部屋係。
ミュリン
ミュリン[Mullin]
冥王の近侍頭。

memo
悪魔学的うんちく

 ベールゼブブ[baalzebub]、ベルゼブブ[beelzebub]、ベルゼビュート[beelzebuth](フランス語読み)などと呼ばれる魔王。
  「貴方が一番好きな悪魔は?」と問われれば、迷わず「ベールセブブです」と断言する、そんな悪魔。ああ、大好きだ。

 ベールゼブブ[baalzebub]の名は、ベールゼブル[baalzebul]の名が「高き館の王」を意味しソロモン王を意味すると取られかねない名であったため、ユダヤ人によってヘブライ語の「蝿の王」に変えられたものと言われています。
  しかし語言論は正しいのかも知れませんが、この名前は古典的なもののようで、 アクチウムの神殿では『アポミュイオス(蝿を忌避する者)の名の元ゼウスに生贄が奉げられた』という記録があり、プリニウスの記録によれば『ローマやシリアの神殿において蝿に生贄が奉げられた』らしい。
  他にも、シリアの神はアコールと呼ばれ、この神を蝿の神と呼ぶ文章も存在する。

あながち悪くもない「蝿の王」という呼称

 どうも間抜けなイメージを持たれている気がするので、ベールゼブブ大好きっ子のアイゼン伯爵として書かねばならない項目です。
  中近東の人々にとって、蝿は悪しき存在でもありませんでした。 放置した肉から自然とウジがわき蝿に変わることから、蝿は生命の象徴とされていたようです。
 また、ベールセブブを崇拝していたカナン地方では、蝿はカナン人の魂を運ぶものとして信じられていました。
 確か、死体に蝿がたかることから魂を運ぶ者と捉えられていたのだった気がします(すいません、情報元の書籍が見当たりません。といいますかどの本のどこに書いてあったか思い出せない……)。

聖書における「悪魔の帝王」

 マタイ伝十二章二十四節、ルカ伝第十一章十五節において 『われらの主イエス・キリストまでもがベルゼビュートを「悪魔の帝王」と呼んでいる』と書かれる悪魔の君主です。  
  ニコデモ福音書によれば、キリストは三日間の地獄滞在中にベールゼブブに冥界の支配権を与えたとされます。 それはキリストがアダムや鎖に繋がれた聖人達を天国へ運ぶことにサタンが反対したにも関わらずベールセブブが同意したからだとか。
 列王記下1章3節によれば、ぺリシテのエクロンの神であるようです。
  七つの大罪においては 「暴食[gula]」を担当する悪魔になります。

ヴァイヤーの書いた地獄の宮廷

 ヴァイヤーの記録によれば、現在の魔界では既にサタンは魔王の座におらず、ベールゼブブが最高君主となっているらしい。
 現在の地獄は、皇帝ベールゼブブの四方位に七人の魔王(ベール、ピュサン、ビレト、パイモン、ベリアル、アスモデウス、ザバン)が在り、 さらに二十三人の公爵、三十人の侯爵、十人の伯爵、十一人の総裁、さらに数名の騎士達で構成されているとか。
 ヴァイヤーに限らず、多くの悪魔学者もベールゼブブを最高権力者と主張し、ミルトンの失楽園においても『権力と邪悪さにおいてサタンに次ぐ』とされています。