world : 世界

 世界は『七つの天の宮』『七つの地の宮殿』そしてその合間にある地上で構成されています。
 絵的に表現すると15階建てのビルがあり、人間の住む世界(物質界)は8階。1~7階が悪魔達の界隈で、9~15階は神(Y.H.V.H)の界隈になります。
 その中でも悪魔が生息(?)するフロアは『七つの地の宮殿』の内の1フロア『第六大地アルクァ』。他のフロアはとても住みづらい環境で、堕天使達がまともに生活出来る環境は1フロアだけだったのです。

 アルクァには七つの層(シオウル、破滅、死の影の門、死の門、沈黙、腹、最下の窖)になっているゲヘナ(冥府)があり、 その中の最上層シオウルがパラダイス・ロストにおける“魔界”にあたる場所になります。そして七つの層全体をひっくるめて“冥界”としており、そこは罪人の魂が罰を受ける場所であり悪魔達の居住地域ではありません。

10周年絵
 魔界(シオウル)の支配者はサタン(サタンは魔王という役職名で名前ではない)であるが、この魔王は引き篭もりたがりのご隠居であり、サタンとしての職務は側近のべリアルがこなしております。
 この下に四大魔王と言われる実質的に魔界を支配している魔王がおります。 構成するのはルキフェル、アスタロト、ベール、ベールゼブブの4名。それぞれに担当があり、
  • ルキフェル:宰相であり実質魔王。メインは法律関係。
  • アスタロト:上級悪魔の爵位や領地の割り振り管理。社交界取り仕切り役。
  • ベール:軍事担当。殺傷能力の高い悪魔を集めた強力な軍隊を持ち、魔界の内戦・反乱防止役。
  • ベールゼブブ:ある意味最強。冥界の王。死者の魂を管理する。実際はサタンの管轄外。
といった構成になっております。

各魔王の詳細設定は【character:登場人物】をご覧ください。

memo
悪魔学的うんちく

 ゲヘナを冥府(平たく言うと地獄)を指す語とするのはユダヤの伝承、またキリスト教神学によるものですが、その詳細な内容を作ったのはキリスト教神学のようです。
 14世紀の神学者によって考えられた7つの天と7つの地のひとつ、第六大地アルクァ(「地」の意)の大陸のひとつに、ゲヘナと7つの冥府があるとされます。
 ゲヘナは冥府全体を指し、以下7つの層で構成されています。  ゲヘナは人間の住む大地の60倍あるといわれ、宮殿のそれぞれに6000の家屋があり、そのそれぞれに、罪人を苦しめる炎と胆汁の器が6000あるという。6という数字に何か意味があるのかは伯爵は存じません。

 ゲヘナという名前の由来は、もともとはソロモン王の崇拝したモレク神に捧げられた炎の祭壇をさす言葉です。
  初期のユダヤ人はエルサレム郊外のヒンノムの谷のモレクの祭壇に最初の子を生贄に捧げていましたが、神(Y.H.V.H)が後にこれを“蛮行”と止めさせ、結果神殿は見捨てられ屑山になり、犯罪者や社会の除け者の死体焼き捨て場になったようです。こういった忌まわしい時代背景がユダヤ(ヘブライ)人の心に『ゲヘナ』を『冥府』として根付かせたそうです。

 絶え間ない拷問が行われるという考えはキリスト教徒の作り上げたもののようです。不断の拷問はさまざまな復讐の天使、拷問の天使、懲罰の天使、憤怒の天使、破壊の天使によって熱心におこなわれるとされています。冥府の取り仕切りを神(Y.H.V.H)から任されている天使は熾天使長ウリエルになります。
 地獄で人々を苦しめるのは悪魔ではなかったのか、というような辻褄の合わない論議はこの世界では定番なので思い詰めてはいけません。